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2026/09/03

「痛くないから大丈夫」——虫歯で一番怖いのは、そこかもしれません

「痛くないから大丈夫」——虫歯で一番怖いのは、そこかもしれません

診療をしていると、

「全然痛くなかったんですけど、そんなに虫歯が深いんですか?」

と言われることがあります。

実はこれ、決して珍しいことではありません。

多くの方が、

虫歯が進む → しみる → 痛くなる → 神経まで達する

という順番をイメージしていると思います。

ところが実際の虫歯は、そんなに分かりやすく進んでくれるとは限りません。

虫歯は、かなり深くても痛くないことがあります

虫歯は、歯の表面にあるエナメル質から、その内側の象牙質へと進行していきます。

象牙質まで進めば、冷たいものや甘いものがしみることもあります。

しかし、必ず症状が出るわけではありません。

さらに虫歯が深くなり、歯の神経(歯髄)のすぐ近くまで進行していても、

「特に何も感じない」

ということがあります。

つまり、

「痛くない=虫歯が浅い」ではありません。

そしてもう一つ大切なのが、

「痛くない=神経は大丈夫」とも限らない

ということです。

歯髄に炎症が起きていても、まだはっきりした痛みとして現れていないケースがあります。

だからこそ、虫歯の深さを「痛いか、痛くないか」だけで判断することはできません。

では、痛みが出始めたらどうなのか

もちろん、虫歯が進行したからといって、すべての歯で神経の治療が必要になるわけではありません。

できる限り神経を残せるように治療を考えます。

ただし、

何もしていないのにズキズキする「自発痛」

温かいものが強くしみる「温熱痛」

夜になると痛む、痛くて眠れない「夜間痛」

冷たいものがしみた後も痛みが長く残る「遷延痛」

こうした症状が出てくると、歯髄の炎症がかなり進んでいる可能性があります。

この段階になると、虫歯を削って詰めるだけでは済まず、神経の治療が必要になることもあります。

「痛くなったら歯医者へ」では、少し遅いことがあります

ここが今回、一番お伝えしたいことです。

虫歯は必ずしも、痛みという警報を鳴らしながら進んでくれる病気ではありません。

静かに進行して、痛みが出た頃には治療が大きくなっている。

そんなことが実際にあります。

逆に、まだ症状のない段階で見つけることができれば、削る範囲を小さくできたり、歯の神経を残せたりする可能性は高くなります。

神経を残せるかどうかは、その歯をこれから長く使っていくうえでも非常に重要です。

痛くなる前に、見つける

歯科医院は、

「歯が痛くなったら行くところ」

だけではありません。

むしろ私たちが大切にしたいのは、

「痛くなる前に見つけること」。

できるだけ削らない。

できるだけ神経を残す。

そして、ご自身の歯をできるだけ長く使っていただく。

そのためには、症状のない時にこそ歯の状態を確認しておくことが大切です。

「痛くないから大丈夫」ではなく、
「痛くないうちに確認しておく」。

虫歯の治療を小さくする一番の方法は、実はそこにあるのかもしれません。

月島パトリア歯科
嶋田 泰次郎