歯が欠けた、噛むと痛い…「歯のクラック」かもしれません

診療をしていると、
「歯が少し欠けました」
「噛んだときだけ痛いです」
「詰め物が欠けたみたいです」
という患者さんがよく来院されます。
一口に「歯が欠けた」といっても、その状態はいろいろあります。
単純に歯の一部が欠けただけの場合もあれば、歯に入ったヒビ(クラック)が原因になっていることもあります。
歯の端が欠けて、噛むと痛い
比較的よく見るのが、奥歯の端の部分が欠けたケースです。
完全に取れてしまうのではなく、欠けた破片がまだ歯についていることがあります。
この状態で食事をすると、噛んだときにその破片がわずかに動き、痛みを感じることがあります。
患者さんからは、
「普段はなんともないけど、そこに食べ物が当たると痛い」
と言われることもあります。
欠けた範囲が小さく、深いところまで達していなければ、欠けた部分を処置して詰め物で修復できる場合もあります。
「詰め物が欠けた」と思ったら、自分の歯が欠けている
これもかなり多いケースです。
「詰め物が取れた、欠けた」
と思って来院されても、実際に診てみると、詰め物ではなく、その周囲に残っていた自分の歯のほうが欠けていることがあります。
治療してある歯は、詰め物の大きさや残っている歯の量、噛み合わせなどによって、残った歯の一部分に力が集中することがあります。
その結果、詰め物はそのままで、その横の歯だけが欠けてしまうことがあります。
歯ぎしり・食いしばりからクラックが入る
歯には毎日、想像以上に大きな力が加わっています。
特に、
歯ぎしり
食いしばり
が強い方では、繰り返し強い力が加わることで、歯に細かなヒビが入ることがあります。
最初はほとんど症状がなくても、クラックが徐々に深くなると、
「硬いものを噛んだ瞬間に痛い」
「ある方向で噛んだときだけズキッとする」
といった症状が出てくることがあります。
さらに深くまで割れてしまうと、神経の治療が必要になったり、割れ方によっては歯を残すことが難しくなることもあります。
治療していない元気な歯でも割れることがあります
意外に思われるかもしれませんが、これは治療した歯だけの話ではありません。
まれではありますが、
虫歯もない。
大きな詰め物もない。
神経も生きている。
そんな一見何の問題もない健康な歯にクラックが入り、割れてしまうこともあります。
「治療したことのない歯だから割れない」
とは限らないのです。
クラックは診断が難しいことがあります
歯のクラックで難しいのは、必ずしもはっきり見えるとは限らないことです。
細いクラックでは、レントゲンを撮影しても分からないことがあります。
そのため当院では、見た目だけではなく、
噛んだときの症状、クラックの位置、歯周ポケット、歯の動揺など、いくつかの情報を合わせて判断していきます。
そして何より大切なのは、そのヒビがどこまで深く入っているのかということです。
「ちょっと欠けただけ」と思っても、一度確認を
小さな欠けであれば、簡単な処置で済むこともあります。
しかし、その小さな欠けの下にクラックが続いていることもあります。
特に、
噛んだときだけ痛い。
同じ歯が何度も欠ける。
詰め物の横の歯が欠けた。
歯ぎしりや食いしばりが強い。
こういった場合は、早めに確認しておくことをおすすめします。
歯のクラックは、**「ヒビがあるかどうか」だけではなく、「どこまで深く入っているか」**によって、その後の治療が大きく変わります。
「少し欠けただけだから大丈夫だろう」と放置せず、気になる症状があれば一度ご相談ください。
月島パトリア歯科
嶋田 泰次郎