歯間ブラシ、やらない手はねぇだろ。

私は、いつでもどこでも歯間ブラシを持っていないと不安です。
食事をしたあと、歯と歯の間に何か詰まったままになっていると、とにかく気持ち悪い。
もし「歯ブラシか歯間ブラシ、どちらか一つしかできません」と言われたら、私は歯間ブラシを選ぶかもしれません。
それくらい、歯と歯の間をきれいにすることを大切にしています。
歯の表面は何とかなる。でも、歯と歯の間だけはね……
歯の表面についた大きな汚れなら、うがいをしたり、ガムを噛んだりするだけでも多少はスッキリします。
もちろん、それで歯磨きの代わりになるわけではありません。
でも、
歯と歯の間だけはね……。
ここは歯ブラシだけでは、どうしても届きにくい場所があります。
食べ物が挟まっているのも嫌ですが、それ以上に問題なのが、歯と歯の間に残る**プラーク(歯垢)**です。
プラークが残った状態が続くと、歯ぐきに炎症が起こり、赤く腫れたり、歯磨きや歯間ブラシのときに出血したりすることがあります。
これが歯肉炎です。
白い歯と、真っ赤でブヨブヨの歯ぐき
診療をしていて、私が本当に気になるのがこれです。
歯は白くて、きれいに磨けている。
ところが歯と歯の間を見ると、
歯ぐきが真っ赤でブヨブヨに腫れている。
白くきれいな歯と、真っ赤に腫れた歯ぐき。
私にとっては最悪のコントラストです。
やっぱり歯ぐきは、健康的なピンク色でキュッと引き締まっていてほしい。
私は勝手に、
「ピンキーガム」
と呼んでいます。
「歯ぐきに突き刺すみたいで怖い」という方へ
歯間ブラシのお話をしていると、たまにいらっしゃいます。
「歯ぐきに突き刺しているみたいで怖い」
あるいは、
「えっ? 歯間ブラシって向こう側まで通していいんですか?」
という方。
大丈夫です。
歯と歯が接触している部分の下には歯間部のスペースがあります。
歯間ブラシは、歯ぐきを突き破っているわけではありません。
歯と歯の間のスペースを通しているんです。
ですから、歯間ブラシが適している場所で、サイズが合っていれば、反対側まで入るのが普通です。
入り口だけを怖々チョコチョコ掃除して終わりでは、もったいない。
適切なサイズの歯間ブラシを無理のない角度で入れて、歯と歯の間をきれいにしてあげてください。
ただし、ここは大切です。
どこでも無理やり突っ込めばいい、という話ではありません。
歯並びによって歯と歯が重なっている場所や、隙間が非常に狭い場所では、歯間ブラシが通らないこともあります。
そんなところに無理やり押し込む必要はありません。
その場合はフロスなど、その場所に合った別の道具を使えばいい。
大切なのは、
「歯間ブラシを通すこと」ではなく、「歯と歯の間をきれいにすること」。
道具は場所によって使い分ければいいんです。
歯間ブラシは「歯ぐきのダイエット」
歯間ブラシは、まず1日1回でもいいんです。
毎日続けて、歯と歯の間のプラークをきちんと取り除く。
そうすると、歯肉炎によって腫れていた歯ぐきは、炎症が改善することで少しずつ引き締まってくることがあります。
ブヨブヨだった歯ぐきが、キュッと締まってくる。
私は患者さんにもよく、
「歯ぐきのダイエットですよ」
と話します。
もちろん、本当に脂肪が減る「ダイエット」という意味ではありません。
炎症による腫れが改善して、本来の引き締まった歯ぐきに近づいていくという意味です。
これが「ピンキーガム」への第一歩です。
1日1回。それでも歯ぐきは変わる
毎食後、完璧にやってくださいとは言いません。
まずは1日1回。
夜の歯磨きのあとでもいい。
歯ブラシで歯の表面を磨いて、「はい、おしまい」ではなく、あと少しだけ。
歯と歯の間まで掃除する。
慣れてしまえば、それほど時間はかかりません。
毎日鏡で歯を見ている方は多いと思います。
でも今度は歯の白さだけではなく、歯と歯の間の歯ぐきの色や形も見てみてください。
赤く腫れていませんか?
ブヨブヨしていませんか?
歯間ブラシをすると血が出ませんか?
毎日の歯間ケアを続けると、その変化に自分でも気づくことがあります。
白い歯だけじゃない。
ピンク色にキュッと引き締まった歯ぐきまで含めて、きれいな口元です。
1日1回の歯間ブラシ。
歯ぐきのダイエットだと思って、今日から始めてみてください。
ここまで分かっているなら――
やらない手はねぇだろ。
月島パトリア歯科
嶋田 泰次郎