小児歯科の特徴
大学5年の時から始まった、附属大学病院での各科周りという臨床実習がありました。
各班6人で、保存科、エンド科、補綴科、そして、とてもスパルタ揃いのライターと呼ばれる各科の先生が勢揃いの恐怖の放射線科等を1年かけて周るのですが、
その中で、衝撃を受けたのが、
小児歯科ですね。
基本、大学生病院にいらっしゃる方の大半が我々、開業医ではなかなか治す事が難しい症例の方や全身麻酔下での外科的な処置が必要な方、心臓疾患等の持病のコントロールが難しい方、
そして、じっとして治療を受ける事が全然出来ないお子さん達が、紹介を受けて来院される場所というイメージですかね。
小児歯科で、先ず見た光景
まさに、戦場、、
治療を受けたくなく、大汗と涙で髪や服がビチャビチャになり泣き叫び暴れまわる子、、
それを押さえつける我々、学生達、、
とうとう出てきました、
ネット!
ネットで、ミノムシさん状態で手足の自由を拘束され歯を削られる子供さん、、
小児の先生達は、毎日この治療を繰り返しているのかと思い、自分には無理だと思った20年以上前の懐かしい記憶があります。
小児の授業で習った、
tell show do 法
まあ、子供に、治療の必要性を伝え、やり方を見せて、行う方法
それでも、出来ない子には
でました!
ほぼ脅迫行為?の
hand over mouth 法
言うことを聞かない子の口をドクターが手で覆い被せるように押さえつけ目でしっかり睨みつけ、「ちゃんと、治療しないとダメだよ」と圧をかける
等を座学で学んだのですが、
実習中の小児歯科では、このhand over mouth法が炸裂しまくっておりました。
今は分かりませんが保護者の方は中に入れなく、外で待っているのですが、
外にまで、響く我が子の叫び声を聞く保護者の方。
まさに、戦場、、でした。
当院でも、患者さんのお子さんの治療をする事もありますが全体の中ではかなり少ないですね。
小児の治療の殆どが、虫歯治療。
ニュースなどでご存じの方もおられるかと思いますが、過去に虫歯治療の際に使用する歯科麻酔にアレルギー反応が出てしまい不幸にもお亡くなりになられたケースもありました。
できれば、麻酔は使用したくはありませんが、やはり、治療が痛いととてもじゃないが治療になりませんし、虫歯を全部取り切れませんので、初めて麻酔を受けるお子さんには鼻の粘膜に麻酔液を塗り、赤く発赤しないか確認してから行っております。
麻酔が効いても、なかなか長時間じっとしていられないのが小児の特徴、
小学生くらいになれば、コミュニケーションも取れるようになりなんとかできますが、
未就学児さんたちだと、かなり手強いです。
まず、口を開けくれませんから、、
虫歯があっても、一回目から治療出来るお子さんの方が少なく、先ずは歯磨き練習等から歯科医院に来る事に慣れて、私とのコミュニケーションが出来てから治療という流れになります。
保護者の方からすれば、一回で終わりたいとお思いになられるとは思いますが、大人でも行くのが楽しくない歯科医院、、
お子さんになると、ハードル、高過ぎです、、
暴れてしっかり虫歯を取り切れない、仕方なく途中で埋めてしまう、また中で虫歯が大きくなり神経治療に移行、更に治療難易度のレベルが上がり、時間もかかる、、
痛みが無くなり、来院されなくなり、歯が崩壊し生え変わり前に抜歯、
そして、
空間が空いたまま放置され、永久歯の生えてくる空間が無くなり、歯並びガタガタの歯の完成!
こんな、負のループにならないよう、
やはり、小児だろうが、大人だろうが、
しっかりとした、歯の磨き方を親子で覚え、予防に徹するしかないのでは?
我々からしても、治療内容は大人と同じでもとてもとてもハードル高い領域です。
さあ、今夜も、仕上げ磨き仕上げ磨き!