表参道パトリア歯科

歯ぎしり・食いしばり

程度は人それぞれですが
皆さん歯ぎしりをされています

歯ぎしりをしていると言われたら、皆さんはどんな気持ちになりますか?

私は18歳の時、家族に言われたのが最初、そんな事している訳がないと言ったところをわざわざ録音してくれた音を聞かされ絶句…
なぜ絶句なのか?それは他人に迷惑をかけているし、何より歯ぎしりのイメージがイビキよりも最悪だと思ったから。
そして今、毎日歯ぎしり予防のマウスピースをして寝ておりますが、それは他人に対してではなく自分の歯を守る為にしているのです。

日々診療にあたっていると、歯ぎしりをしていない方はいないと断言できるくらい、皆さん歯がすり減っています。
もちろん、程度は人様々ですが、皆さん、歯ぎしりをされています
私の子供も幼稚園の時からしており、乳歯なのに歯ぎしりにより歯が見事に磨耗していました…
ストレスなどが主な原因とされていますが、本当の原因はよくわかっておりません。

歯ぎしりによって起こる、さまざまなな症状

  • 歯が短くなってきた
  • よく詰め物が外れる
  • 前歯の歯並びが崩れてきている
  • 歯がしみる
  • 歯の側面がえぐれてきた
  • 顎が痛い
  • 頭痛、肩こりがひどい
  • 舌の下の歯ぐきが出っ張ってきた

などなど

4種類の歯ぎしりタイプ

歯ぎしりの中には4種類のタイプがあり、皆さんが想像する、あの嫌な音が響き渡るものだけではありません。

  • 上下の歯をカチカチとぶつけ合うタッピングタイプ

    タッピングとは

    という動詞からきているように、上下の歯同士でカチカチとぶつけ合って噛み合わせるタイプで、最も頻度が少なく、歯や顎への負担も1番軽いと言われている。
    このタッピングによるトラブルは、患者さん側からしても自覚症状も出にくく、そこまで心配しなくても良いと思います。
    隣で寝ている方のタッピングのせいで、就寝を邪魔されることもあまり無いのでは。

  • 上下の歯をギシギシと左右にこすり合わせるグラインディングタイプ

    グラインディングとは

    という動詞からきているように、上下の歯をギシギシと左右にこすり合わせる一般的なタイプ。
    そして、歯に最もダメージを与えてしまい、元々歯の噛む面には山の様に隆起しているのだが、その山の部分が真っ平らになってしまうケースが多い。
    就寝時に起こることが多いが、日中の起きている時でもされるケースも見受けられます。

    日中起こる原因として

    • 何かに集中している
    • 怒りやストレス

    等で無意識に起きてしまう。

    対処法

    就寝時に装着するマウスピース(ナイトガード)を使用して歯の磨耗を防ぐしかありません。

  • 上下の歯を強く噛みしめたり、くいしばるクレンチングタイプ

    クレンチングとは

    という動詞からきているように、上下の歯をかなり強く噛みしめる癖の事
    あるデータでは噛みしめる際に、60kgもの圧が歯にかかるとも言われている。
    そんな圧力が歯にかかればどんな事が起きてしまうのか?

    症状
    • 歯にヒビが入る
    • 根の周りを覆っている歯根膜という組織に炎症反応が起こり、噛んだ時に痛みが出る
    • 圧力により、歯を支えている顎の骨が溶ける
    • 骨が溶けたことにより、歯がグラグラしてしまう
    • 咬筋が疲労を起こし、痛みが出る
    • 顎関節症になる
    • 肩こり
    • 咬筋肥大 (顔の輪郭がかなりデカくなってしまいます)

    歯にとってみれば大きな迷惑。
    人は基本、食事以外は上下の歯は接していないく休んでる状態、なのにクレンチングを行う事で更に重労働を負わせてしまい、歯、顎の骨、歯根膜はボロボロになってしまう。
    当人は完全に無意識なので、クレンチングを行っていることに気がついておらず、どんどん歯を痛めつけ先程のような症状になっていってしまう。

    対処法
    • マウスピース
      通常は就寝時のみだが、日中もクレンチングを行うならば日中にも使用した方が良い。
    • 舌を裏顎にしっかり付ける
      人の舌は通常、裏顎に貼り付けておかないといけなくほとんどの方が下の前歯の裏側に付けてしまうことで容易にクレンチングが出来てしまうが、裏顎に貼り付けるとクレンチングが出来なくなるのです!
    • ボトックスを咬筋に打つ
      アラガン社のボトックス(ボツリヌス菌が主成分)を筋肉に打つことで筋肉の動きを抑える効果がありクレンチングができなくなる。
    • 筋弛緩薬の使用
      薬の効果で、筋肉を緩める。

    などなど

    クレンチングは歯のみならず顎全体に影響が出るかなり怖い症状なのです。

  • ある特定の部分ですり合わせるナッシングタイプ

    ナッシングとは

    という動詞からきていて、ナッシングタイプ(きしませ型)は歯全体ではなく、ある特定の一部分のみで上下の歯をキリキリこすり合わせます。
    夜間に見られ、キリキリ、キシキシときしんだ音を発します。
    私はこのナッシングが自分も含めて最も多くの患者さんたちから見受けられます。

    症状
    • 特定の歯の先端が平らになる
      左右均等ではなく、片側どちらかにみられる。
    • その歯の歯ぐきの位置がかなり下がることで知覚過敏を起こす
    • 特定の歯の顎の骨が溶け、その歯のみがグラつくと共に歯周ポケットが4㎜を超えてくる
    • 特定の歯の表面、咬む面に亀裂が入る
      この亀裂から虫歯の進行また、神経の無い歯だと歯の頭だけでなく、根っこも割れたりする。割れた歯は抜歯になることが殆ど。
    • 特定の歯の歯並びがかなり悪化しズレてくる
      これが、最も多くあるケース。特に下の前歯、下顎を前方に出してナッシングすると上の歯は出っ歯になったり、下の歯は先端が擦り減るだけでなく歯並びも前後にかなり動きガタガタになる。歯並びの悪化により、歯の間に虫歯や磨き残しから歯肉炎になり更に悪化すると歯ぎしりの力と歯周病のダブルパンチで歯がかなりグラグラしてくる。
    対処法
    • マウスピース(ナイトガード)
    • 咬合調整
      グラつく歯に圧がかからないよう上下の歯の圧のかかっている部分を削る。

    私もこのナッシングタイプで、左上の1番奥の歯と前歯を中心に就寝時に行ってますから、ほぼ毎晩マウスピースを使用して、これ以上悪くならないように予防しています。

皆さんに歯ぎしり、食いしばりの恐ろしさをお伝えしたい。
そして、皆さんの歯を守りたい。

永久歯に生え変わってから死ぬまで使いたい歯。
歯ぎしりを予防する方法はあります。

定期検診

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これから何年も、何十年も、使っていく歯を綺麗な状態で保つために、定期的に歯の状態を拝見させてください。
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